本稿における意見・考えに当たる部分は堀古英司氏個人のものであり、東京金融取引所の見解を示すものではありません。本稿を用いて行う一切の行為及び本稿に基づいて被った被害について、本取引所は何ら責任を負うものではありません。取引をされる場合は、取扱業者から交付される契約締結前交付書面等の書面の内容を十分理解した上でご自身の判断で取引を行ってください。
第1部:「NYダウを、『析る』」

第2部:「米国経済・株式市場の見通し・ヘッジファンドの思考」


第1部
NYダウを、『析る』 (1/2)
■120年前から算出される、アメリカを代表する株価指数
そもそもダウ平均株価とは、どんな指数なのでしょうか?
  

1896年5月26日から算出されている、アメリカの象徴的な株価指数です。わずか30銘柄で構成され、価格平均で算出されるため、株価が高い銘柄の影響を受ける傾向があるものの、歴史的には概ね米国の株価全体の動向を忠実に示しています。
日本では「工業株平均」と訳されますが、現在の構成銘柄は工業株だけではありません。セクター別に見ると資本財・サービス関連銘柄のウエイトが大きく、20%程度を占めています。



ちなみに、S&P500指数はIT関連のウエイトが高く、約20%を占める。そのため、IT関連が好調なときはNYダウよりS&P500指数のパフォーマンスが良く、アメリカの全体の景気回復局面では資本財関連銘柄が相場をリードすることが多いため、NYダウのパフォーマンスのほうが良くなる傾向があります。
なお、NYダウには日本人の投資家に人気のamazonやfacebookは入っていません。価格平均で算出するため、株価が50~100ドルの銘柄が中心ですから、株価が高いamazonやfacebookは入れられないのでしょう。ちなみに、アップルはかつて株価が800ドル程度ありましたが、株式を8分割したこともあってNYダウに採用されています。
業績が悪化したり、株価に回復の見込みがない場合は入れ替えられる可能性が高くなります。銘柄変更は突然発表され、いつどの銘柄が採用されるのかは予想できません。ですが、過去を振り返ると業績、時価総額とも着実に伸びて、米国の時価総額トップテン入りするようになると、採用の確率が高まります。採用されると株価が上がるので、それを見越し先回りして買う投資家もいます。


NYダウは歴史的に見ても割安な水準にある
堀古さんは、株価が割安かどうかを重視していらっしゃいますが、株価指数であるNYダウの場合には、どう考えればいいのでしょうか?

私は大型株が割安ならば、株価はまだ上がると考えています。というのは、株価の上昇局面では、まず大型株が買われ、最後に中小型株が買われて相場が終わる傾向があるからです。S&P500指数と大型株の集合体であるNYダウを比較すると、現時点(2016年5月末)ではPER(株価収益率)や株価キャッシュフロー倍率はNYダウのほうが割安です。



また、配当利回りはNYダウが2.68%、S&P500指数は2.17%で前者のほうが多い。もう一点付け加えると、アメリカの10年物国債の利回りは1.6%ですから、国債よりも株式の配当のほうが高い状態です。
そもそも10年物国債を10年間保有し続けても、利回りは1.6%のまま変わりません。一方、株の配当は、ITバブルや金融危機の前後には下がったこともあるものの、それ以外は伸び続けています。利回りが伸び続ける物と一定の物とを比べた場合、通常は伸び続ける物の利回りのほうが低くなければおかしい。いまの状態は、歴史的に見てもまれです。そのくらい投資家が株を買うことを怖がっている、つまり割安な状態だと言えるでしょう。
もうひとつ注目したいのが、PBR(株価純資産倍率)です。一般的には、この数値が低い方が割安とされますから、ダウは割安ではありません。というのは、目に見える資産だけでなく、ブランド力や経営陣の能力など無形の資産の価値が高く評価されているからです。無形の資産は一朝一夕には築けません。言い換えると、NYダウの構成銘柄は、そう簡単には競争を挑めない、参入障壁の高いビジネスをする超優良企業の集まりと言えるでしょう。

 




(注)買いポジションを保有の場合:配当相当額を受取り、金利相当額を支払います。(ただし、金利相当額の支払い額が配当相当額の受取り額を上回る場合があります。)売りポジションを保有の場合:配当相当額を支払い、金利相当額を受取ります。一部の海外株価指数証拠金取引については、配当相当額は発生しません。
(注2)1月1日(この日が日曜日の場合は1月2日)、海外株価指数について、当該指数を構成する銘柄が取引される取引所の休業日、を除きます。

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